10．"Double Exposure"
Double Exposure
この言葉は主に写真加工で利用されるテクニックの一つで
別々に写した2つの被写体を一つの画面に重ねる技法です
近年、世界中で様々な原料の調達が
それこそ20〜30年前と比較しても困難に感じることが多くなりました
その主な原因は生産地の縮小であったり
低賃金労働や強制労働が原因でそもそもの生産からの撤退など様々ですが
原料そのものが世界的に少なくなっていることは間違いのない事実です
糸の加工場も同様です。
私達の糸の多くは日本国内で生産 加工をしています
その加工場も年々 その規模を縮小しているところが多く
年々 私達の糸の生産量の確保にも不安が増しています
私達が作り出すのは糸です
服ではありません
服は糸がなければそもそもが作れません
私達はデザイナーが使いたいと思ったその時に
最適に糸を提供出来なければなりません
糸の品質はもちろん、お客様が求める“量“も
出来る限りご用意することは大事な使命の一つだと考えています
ゆえに、原料と加工場の懸念のみを考慮すると
私達の提供する糸のそのバリエーションは縮小の判断となり
生産量を確保しやすい、ベーシックな糸ばかりとなってしまいます
しかし、それでは面白いモノづくりは当然出来ません
そこで今回のコレクションは
テーマ”Double Exposure”にヒントを得て
ベーシックなものを主としても、
それに別の表情の有る糸を重ね合わせることで
色の要素も加わりそのクリエーションの巾は幾通りにも広がりをみせ
多様なクリエーションの可能性を得ることに
ニットの面白さをより追及出来ればと考えました
