多角化経営とは顧客を創造すること
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こんにちは。
奥ノ谷塾第5講は、ヤマチユナイテッドの山地社長をお迎えしました。
塾生の私たちだけのために、4時間以上に渡る熱い熱い経営のお話。
多くの刺激と気づきをいただきました。
これからやること、やれること、、、たくさんのヒントをいただきました。
毎回恐るべし、奥ノ谷塾! (笑)
「楽しい経営」、「社風経営」のお話もとっても参考になりましたが、私は山地社長が奨める「多角化経営」のことをこのブログに書こうと思います。
ヤマチユナイテッドさんは、北海道札幌に本社をおく会社。
北海道の「就職したい会社ランキング」11位です。
180億円の売上で、100事業を展開していて、以下のビジョンを掲げています。
THE 100 VISION
1. 100の事業を成功させる
2. 100人の経営者の創出
3. 100事業 X 利益1億円 = 利益100億円企業になる
4. 100年以上続く良い会社を創る
そう、文字通り「多角化経営」をどんどん進める会社なんです。
多角化なんて興味ないな。
「本業」だけで充分。
いや、「本業」を全うするだけで精一杯だし。
そんなあちこち手を出したら、「本業」がおろそかになるに決まってる。
、、、
そんな風に否定的な感覚で捉えていたことが、私の「多角化経営」のイメージでした。
何をやればいいの?
何が出来るの?
何で多角化する必要があるの?
急にレストランなんて出来ないし(笑)
、、、
でも、
いきなりこう言われて驚きました。
えっ!? 私、糸とニットしか売ってませんが、、、(笑)
山地社長の言う「多角化」とは、既存顧客に既存のモノを売る以外のことを言うのです。
ビジネスの展開には4つの方法があります。
①既存顧客に既存のモノを売る
②既存顧客に新しいモノを売る
③既存のモノを新しい顧客に売る
④新しいモノを新しい顧客に売る
つまり、①以外を「多角化」と呼んでいる。
私たちの場合は、最初は①でした。 既存顧客に「糸」を売る。
丸安毛糸の始まりです。
それだけだったら、多角化にはなりませんが、
そこから、②になりました。 既存顧客に「製品」を売る。
OEM,ODMのスタートです。
そして、今は③が加速しています。
既存のものを新しい顧客に売る
既存のモノ、「糸」「ニット製品」を、、、
ニットを創る楽しさを伝える空間と、ニットのWikipediaとして発信をする 「Knitlabo」 を作りました。
製品のオリジナルブランド 「Punto D’oro 」 を立ち上げ、パリとニューヨークの展示会に出展しています。
アパレルメーカー用に創ってきた糸を、手芸糸用にリメイクして、手芸糸のブランド「60ろくまる」を作り、一般顧客(B to C)に販売しています。
イタリアの糸の展示会、Pitti Filatiには、糸の新ブランド「Monteluce」で出展。
販路を世界に広げようとしています。
売っているものは「糸」と「ニット製品」に変わりませんが、カタチを変えて販路を開拓している。
そう! これらも多角化だったんですね。
④の新しいモノを新しい顧客に売ることだけが、多角化ではないんです。
④は一番難しいことですよね。
新しいモノを創り、顧客も探さなければなリません。
私たちの場合、まだ明確な④は出来ていません。
他社や異業種とコラボレーションしたり、新しい出会い、、、そんな組み合わせにより、既存の商売や成功した商売を、更に横に展開していくことができます。
②既存顧客に、「糸」「ニット製品」以外に何を売ったら喜ばれるかな?
③「糸」「ニット製品」をまだまだ他の分野に売ることが出来るかな?
④は、②と③をやることで、アンテナを張っていれば新しい価値を創造することが出来るはず?
①だけだと、それが上手くいかなくなった時、対処が出来ない。
利益の源泉は、あらかじめいくつか持っていることが、大事であると山地社長は言われていました。
「マネジメント」(management)の父と呼ばれる、ピーター・ドラッカーさんの言葉で、もっとも有名な言葉です。
これはどう言うことかと言うと、、、
企業は「顧客満足」だけを追求してはダメと言うことなんです。
企業が自ら、市場を作り出し、未来を創ること。
それにより、顧客を創り出すことが、企業の目的。
顧客に問いかけても、顧客満足だけに重点をおいても、顧客は明確に欲しいものを認識出来ていない。
だから、それを示して行くのが、企業の役目なんです。
山地社長のお話を聴いて、ドラッカーを思い出しました。
そして、「多角化経営とは顧客を創造すること」なんじゃないかな、って思ったんです。
②、③、④をすすめることで見えてくる、出会うことが出来るのが、新しい価値、新しい顧客なんですね。
もちろん多角化だけでは、ビジネスは成功しません。
多くのビジネスは連邦化して一つの会社のようにグループ経営
X
全員参加の経営
X
そして職場の楽しさを作り出す「社風経営」
これらが掛け算になっていくのです。
そして、新卒採用から理念教育、クレド教育、、、
社員教育を社長が先頭になって徹底的に行っていることが、表向きは「多角化経営」で目立ってはいますが、山地社長の、根底にある一番凄いところなんだ、、、と思いました。
山地社長、本当にありがとうございました。
奥ノ谷塾長、次回第6講はどんな塾でしょう。
楽しみでなりません。
塾生の皆さん、仕事するよ!!(笑)